ロダンの写真

青銅時代の石膏原型






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ロダン再考
今はロダンの作品を見るのは日本人なら容易です。国立西洋美術館など多くの美術館が所蔵しています。私は高校生の西洋美術館の許可を貰って館内のロダン作品の模写を致しました。ただ眺めるのと違って描くとなると色々と細部の作り迄解ってきます
日本人が明治時代にロダンに熱狂した理由が少し解りかけてきました。その一人の荻原守衛の作品を収蔵する長野の碌山美術館に行ってきました。夜行で行きましたので朝着きました。会館迄時間があるので畑のきれいなコンクリの上で寝ることに致しました。すっかり熟睡してしまって気が付いたらここはどこだかすっかり忘れていました。あそうか碌山美術館に行くのにここで寝てことに気が付きました。
それから美術館見学しました。文覚しょうにんの像 女 などが印象に残りました。これらの作品がロダンの影響で作られたのは明白です。迫りくる肉体という塊のダイナミズムこれまでの日本彫刻ににない迫力です。
高村光太郎ロダンの言葉を翻譯して中原悌二朗が老人の姿をロダン風に作りました。当時のロダン熱はとても熱狂的だったことがうかがわれます。当時彼らがどうしてそんなにも熱狂したのか、まだ写真でしか見ることができなかった当時の若者が、あれほどまでロダンの彫刻の理念を習得できたのは荻原守衛高村光太郎、藤川雄造によるのだと思いますが、その後松方コレクションとしてロダンの本物が日本に居ながら見れるようになるりました。
今ではロダンの作品は簡単に見ることができます。私は美大では、彫刻を専攻致しましたので、ロダンというよりはマイヨールの面の作りのうまさを参考にするように言われ、教授の言われるとうりマイヨール風のおおまかな面による人体の構造体の致しました。いまとなっては素晴らしい教育を受けたと思っています。
しかし私にとってはロダンがどうしても忘れられない存在なのです。20年ほど前パリに出て、パリ市のロダン美術館は勿論、パリ郊外のムードンにあるロダンのアトリエ現在は美術館になっていますがここではロダン作品の石膏原型を見ることができるのです。ロダンの手触りまで感じさせるほどブロンズでは味わえない質感の魅力がありました。特に青銅時代の石膏原型は圧巻です。これがサロンに出品されて落選の憂き目にあってのですから、当時の人々がこの石膏元形に驚愕し狼狽ししまいにひがむようになり、この新しい彫刻の出現を抹殺しようと試み、このリアリズムは人体から直接型取りしたものと決めつけ決着をつけ落選、にして封じ込めようと致しました。
新しいものを受け入れれば自分たちの彫刻が古臭くなり注文が減り彫刻家としての立場が危うくなるのを恐れたのだろうと思われます。
しかし若いボザール出身の彫刻家が機敏に反応して形成は次第に逆転していきます。もはやロダンを否定できない状況まで時のサロンの審査員はなっていた人々が。ロダン作品を招待出品としてロダンはそれに加え洗礼者ヨハネを作り出品いたします。それを契機にロダンの評価は次第に高まり、国から装飾美術館の門のデザイン地獄の門の依頼を受けます。もはやロダンはフランス彫刻家第1人者にまでなっていました。ロダンの彫刻には生命を感じます。そして作品1点1点にドラマがあるのです。凱旋門の彫刻リュード作のマルセイエーズを除く3点の作品を見て頂ければそのことが良く解ります。3っ点とも大人しく記念写真でも撮るように人々を配置してたいくつ極まりません、それらには命のエネルギーもなければドラマもありません
ロダンは何も新しいことをしたわけではありません、ミケランジェロの作品の迫力ドナテロの生命感ブロンズ彫刻の魅力的美しさ、これらの作品を現地で見てすっかり生彩を失った彫刻界のリバイバリストだったのだと思います。
そしてロダンルネサンス的彫刻をさらに激しく肉体を岩のような立体に作りあるものはとても魅惑的に美しい女性像を作りました。こうした彫刻の有り様がのちのマイヨールやブールデルに受け継がれ現代彫刻へと発展することになります。そうした意味でロダンは西洋彫刻のみならず世界の彫刻変えてしまったと言えます。
妻と二人でルーブル美術館の庭を散歩していたら沢山置いてあるマイヨールの作品の数々を見て歩きロダンの作品を見たらこれは人形だと言っていました。
ロダンは命の尊さ儚さ美しさそして人間ドラマを彫刻で表現した最初で最後の人だったのではないでしょうか、最後の地獄の門は人間の苦しみをあれほど激しく表現した作品はありません。今でもロダンを乗り越える作品はできていません、これは人類が存在する限り追求していくべきテーマであると思います。現在の彫刻界はマネキン人形化しています。命がないのです。展覧会見てもかつての古典主義的作品が多く目立つようになりました。ロダンのしたことを再考すべきではないかと思います